カテゴリー「官民格差」の2件の記事

2009年3月 1日 (日)

あなたは、官民格差に耐えられますか?退職金編

あなたは、官民格差に耐えられますか?~退職金編~


以前、給与の官民格差について、示しましたが、今回は、退職金の官民格差について、示します。

◆退職金の官民格差の実態

下図は、民間企業と国家公務員、地方公務員の退職金の平均値の比較である。
民間企業のデータは、2007年度従業員規模30人以上企業の定年退職者の平均、国家公務員のデータは2006年度の定年退職者の平均、市町村、政令市、都道府県のデータは2007年度の定年退職者の単純平均である。

図を見てもらえればわかるとおり、格差は歴然としている。
民間で最も高い大卒と比較しても、市町村職員は1.15倍国家公務員で1.21倍政令市で1.27倍都道府県で1.37倍となっている。
民間企業のデータは、従業員規模30人以上規模のデータしかないので、それ以下の企業を含めば、実態はもっと格差が大きいことは、容易に推測できる。
ちなみに、従業員規模30人から99人の定年退職者(大卒)の退職金は、平均で1,369万円である。

まさに役人天国と言ってよい状況だ。

本現状の水準が正しいものであるのか、議論されているのであろうか。
国家公務員は人事院、地方公務員であれば人事委員会が、給与水準だけでなく、退職金給付の水準を決めている事の弊害がここにも表れている。

◎退職金の官民格差

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出所:地方公務員給与実態調査結果(総務省)、平成20年就労条件総合調査退職金給付(厚生労働省)を基に作成(チーム『民』)

◆退職手当債って何?

このような状況な中、都道府県、市町村では、財源不足を理由に、地方債を起債して退職金を給付している。
(ちなみに、大阪府は、今年度は、発行しない予定、東京都、鳥取県、島根県は、過去の起債はゼロ)
これは、総務省が2006年度に、団塊世代の大量退職による退職金給付額の増額に対応するために、起債を許可したため(退職手当債)。

起債に関する条件などは、下記のとおり
・平年度ベースを上回る退職者がある団体で、定員・人件費適正化計画を定め、総人件費の削減に取り組む団体を対象に、許可により退職手当債の発行を拡充
・当該団体の退職手当額が平年度ベースの標準退職手当額を上回る額について発行可能
・期間は、2006年からまで2015年の10年間

ここ4年間の起債額は、下記のとおり。

◎退職手当債起債額の推移(2006~2009年度)

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出所:地方財政計画(総務省)を基に作成(チーム『民』)

このような対応が許されて良いのだろうか。
起債するということは、元利だけでなく利子分まで、住民が負担することを意味しているのだから、ひどい話である。
何年に何人退職するかは、あらかじめ分かっており、退職金引き当て分を積み立てておけば良かったこと。
実際に基金を設置し、積立ている自治体もある。

少なくとも、起債額分、退職金を減額すべきではなかろうか。
それでも、ゼロになるわけではないだろう。

◆知事、市長、議員そして、私たちにも責任はある

予測される歳入で足らないのであれば、退職金を減額するのか、他の人件費を削減するのか、住民サービスをカットするのか、公共事業を削減するのか、それとも増税して財源不足を補うのか、これをきっちり議論するのが、議会の役割。
公務員の退職金を支払うために起債すべきかどうか、本当に議会で議論されたのか?

議会において予算は一括で審議・決議されるため、退職金の起債に反対するには、予算全体を否決することに、つながるので、対応が難しいのが現状といえよう。
よって、起債の判断をした、知事、市長の責任は、当然重い。
また、地方の予算は国の予算が決定するまで、編成できず、結局2月末から3月上旬に数日しか審議せず決議しているので、活発な議論など望むべくもない。
一方で、国の予算審議・議決も同様、一括で行なわれており、審議期間は、概ね2ヶ月程度。
これでは、議会の機能を果たしているとは、到底いえない。

議会での予算審議、議決のありかたの抜本改革と、審議期間の大幅な延長を、早急に行なうべきだ。

公務員の人件費の原資は国民、住民が支払う税である。
税を負担している人には、所得の多い人もいれば少ない人もいる。
これらを鑑みれば、公務員の退職金の水準が高いことは明かであり、国会や多くの自治体で削減の議論が行なわれていないこと自体が問題である。

よって、私たちチーム『民』は、以下の改革が必要だと考えている。

・人事院、人事委員会を廃止し、労働三権(範囲は別途検討)を公務員に付与し、給与・退職金の水準を議会の場で審議・議決する
・退職手当債の廃止
・予算審議・議決を一括から、目的別・性質別に
・予算審議期間の大幅な延長

徹底的に議論をつくすよう仕組みを、変えれば退職金の水準は適正化されるのでは、なかろうか。

官民格差の現状に不満を持つ方は、多数いると思われるが、現状のような官民格差を、生んでしまったのは、官僚や地方公務員の言いなりになっている政治家の責任であり、議員を選んでいるのは、私たち国民であり住民であるので、私たちにも責任がある。

これを皆が自覚すれば、自然と投票率も上がり、然るべき議員、知事、市長が選ばれるものと思われる。

もっと政治に関心をもち、参加する人々が増えるよう、私たちもより一層努力しなければならないと、肝に銘じて活動していく。

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2009年2月17日 (火)

あなたは、耐えられますか?官と民の給与格差

官と民の給与格差が大きいことは、みなさんもご承知かと思いますが、官民格差の現状と、格差を正す方法をまとめたので、報告します。

◆官民格差の現状

2007年度の官民格差の現状は、下記のとおり。

独立行政法人ならびに、特殊法人は、事務・技術職員の平均給与、民間企業は、1年を通じて勤務した4,543 万人分の平均給与を用いた。

グラフのとおり、官と民の給与格差は、極めて大きいといえる。

最大である、特殊法人の事務・技術職員との格差は、378万円

民間給与は、2007年度にわずかながら増加したとはいえ、それまで8年連続して減少していたこと、公務員の給与の原資は、全ての老若男女が支払う税であるから、官民の給与格差が著しく大きい現状は、到底、適正なものとは、いえない。

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出所:民間給与実態統計調査(国税庁)、地方公務員給与実態調査(総務省)、国家公務員給与実態調査など

◆官民格差が生じる原因

国家公務員であれば、人事院、地方公務員であれば人事委員会が、一定規模の民間給与を基準に給与水準を定めた勧告を行ない、それに基づき、国政であれば、内閣が勧告の取扱いを決定し、国会の議決により、給与水準が決定されている。

ここに、以下の大きな問題がある。

◎従業員規模の大きい民間企業の給与を基準としている

人事院勧告:企業規模50人以上かつ従業員規模50人以上の民間企業の給与水準
人事委員会勧告:企業規模50人以上でかつ事業所規模50人以上の都道府県内の民間事業所の給与水準

◎基準となる民間企業の給与が、実際の民間給与より高くなる(ラスパイレス方式

公務員の年齢構成・労働力構成を、ベースとなる民間企業に適用して、ベースとなる民間給与を算出する(これをラスパイレス方式という)ため、ベースとなる民間給与が、実際の民間給与よりも高くなり、当然ながら公務員給与が高くなる。

この2点に加え、基本給を決定する俸給表が、年功序列となっていることも問題だ。
職責が高くなくても年齢が高くなれば、職責の高い若年者の給与よりも高くなるような、俸給表となっているのだ。
話を、単純化すれば、35歳の課長と55歳の平社員が、ほぼ同じ給料になるような、棒給表になっているのだ。

◆官民格差を正す方法

官民格差を正す、方法としては、下記2案が、考えられる。

◎案1
人事院・人事委員会の給与勧告を下記に改める。
・比較対照を、全民間企業の給与水準とする
・ラスパイレス方式による比較の廃止
・年功序列の棒給表を改め、適切な範囲で能力主義を導入する

◎案2
人事院・人事委員会を廃止し、政治主導で、国会・地方議会において給与水準を決定する
その際には、国家公務員、地方公務員に、労働三権を付与する(範囲は別途検討)
給与水準は、当然案1の指針がベースとなる

2つの案を提示したが、チーム『民』としては、案2を推奨したい。
理由は、公務員の給与の原資は、国民が支払った税であるので、民主主義国家においては、主権者たる国民の代表である議員が、議会の場で、決定するのが原理原則に適っているから。

これを断行するには、まずは議員自身の給与を削減することが前提条件となるのは、言うまでもない。

労働三権を付与すると、ストを懸念する方もいると思われるが、たとえ給与が下がったとしても、民間企業に比べれば、遥かに安定した職場であることは、公務員自身が知っている。
ストを続け、国民生活に多大な影響を与えれば、国民や住民が黙っていないし、新しい公務員を採用すれば、その先には解雇もある。そんな簡単に民間企業に再就職できないことは、公務員自身が分かっている。

だからストするにも、かなりの覚悟を決めて行なわなければならない状況は、できているので、簡単にストは出来ないといえる。

上記を分かっているからこそ、人事院の改革に強く抵抗しているのだと、断じてよいだろう。

公務員が給与水準をあげたいのであれば、民間企業の給与が総じて増加するような、具体的な施策を考え、行なえばよい。
それこそ、公僕の果たす役割ではないか。

議員も公務員も、老若男女が支払う税により、雇われていることを忘れてはならない
民間給与が減少し続けているのであるから、議員・職員の給与が削減されるのは、当然であり、削減されないのであれば、私たち、生活者・庶民・しみんが、声をあげ、政治を動かしていかなればならない。

小泉元総理は、郵政民営化が改革の本丸と、叫んでいたが、私たちに言わせれば、官民格差の是正こそ、改革の本丸である

議員も含めた官民格差の是正が、選挙の争点になることを、望む。

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