カテゴリー「公務員制度」の4件の記事

2009年4月25日 (土)

各府省庁の天下り、渡りの現状と、天下りをなくす方策について

総務省が発表した各府省庁2006年から2008年までの再就職のあっせん状況を基に、天下りの現状と、天下りをなくす新たなキャリア制度の構築案をまとめたので、報告します。

◆依然として減らない各府省庁の天下り

2006年~2008年の天下りの状況は、下記表のとおり

2006年626件、2007年621件、2008年625件と、ほぼ同水準で天下りの人数が推移しており、過去3年間、全く状況が変わっていないことが、明らかになった。

国土交通省の天下りの人数が突出して多く、過去3年間で597件、全省庁の合計の約32%を占めている。
いかに、国土交通省の管轄する事業の裾野が広いかが、わかる。

天下り件数が多い上位4省である、国土交通省、経済産業省、農林水産省、財務省の合計は、1,213件、全府省庁の合計の64.8%を占めていること、一方で、環境省は過去3年間で、ゼロであることを、みれば、各省庁の力関係が、はっきり表れているといって良い。

◎各府省庁の天下りの状況(2006年~2008年)

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出所:平成18年から平成20年末までの再就職のあっせん件数の調査についてを(総務省)基に作成(チーム『民』

2006年~2008年の渡りの状況は、下記表のとおり

年度によってかなり、ばらつきがあり、2007年が最も多く17件となっている。
渡り件数が多い総務省、農林水産省、人事院、国土交通省の合計は18件で、全府省庁の合計の62%を占めており、天下り同様、一部の府省庁に偏っていることが、わかる。

◎各府省庁の渡りの状況(2006年~2008年)

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出所:平成18年から平成20年末までの再就職のあっせん件数の調査についてを(総務省)基に作成(チーム『民』

◆天下りの主要因は、早期勧奨退職慣行

国家I種試験を合格して採用される、いわゆる幹部候補生であるキャリア官僚は、横並びで昇進・昇給し、その過程で管理職になれなかった人材は、
早期退職する、早期勧奨退職慣行が、天下りの主要因である。

具体的には、官僚のトップは事務次官に、同期入省、もしくは後年入省のキャリア官僚が登用されると、その他の同期入省者は早期退職となる。
この早期勧奨退職が行なわれると、定年前に、退職する事になり、その後の職業と収入を保障するために天下りを、行なっているというのが、実情である。

◆天下りをなくすには、新たなキャリア制度を作るしかない

・エリートになるべく採用されたのに、官僚のトップになれないのであれば、去り行くのみ
・ただ競争に勝ち残れない場合でも、ある程度身分を保障されないと、有能な人材が集まらない
これらの点を鑑み、生み出された、エリート意識を反映した究極の競争原理と身分保障制度が、キャリア制度と天下りと言って良い。

天下りの主要因は、上述したように、早期勧奨退職慣行であり、これの廃止が天下りをなくすことに直結するはず。
早期勧奨退職慣行をなくすには、国家I種試験合格者のみしか、幹部になれないキャリア制度そのものを抜本改革する事が、必要不可欠である。

新たなキャリア官僚制度の概要
・人事権を、省庁から、内閣府人事院に置く(政治家、各省庁OBで構成、各省庁OBは省庁へは戻れない片道切符)
・35歳~40歳の少数精鋭の幹部候補を、各省庁、民間企業、地方自治体など、幅広く募る(国家公務員については、試験の種別は一切問わない)
・一定期間(5年~10年)幹部としての職務を全うするに相応しいスキルを養う(公務員は、民間企業へ出向、民間企業出身者は、省庁でスキルを養う)
・省庁の利益ではなく、国家の利益を考える人材を育成する
・スキル修得期間を経た者の中から、内閣人事院で、幹部を登用する

国家I種試験による採用者の枠を、現行より大幅に削減し、上述の新たなキャリア制度を構築すれば、早期勧奨退職を行なう必要性は、ほぼなくなると言ってよい。
そればかりか、現状の閉じた人材登用から、民間にも門戸を広げることで、多様な人材を確保でき、新たな人事育成システムを構築することで、優秀な人材を育てられるメリットもある。

天下りやキャリア制度に対する批判は多く、官僚のトップを政治任用すべき、との論調が強い。

ただ、現実問題として、官僚トップを政治任用したところで、官僚組織を知らない人間に、官僚を統括する事はほぼ不可能と言って良く、トップに任用される人材は、一定期間省庁に在籍する必要性が、ある。

実現困難な、策を述べるよりも、天下りをする根拠である、早期勧奨退職慣行をなくせて、さらに多様で専門スキルを有した人材を育成登用できるキャリア制度の構築こそが、問題解決につながるのでは、なかろうか。

民間企業以外の天下り先である、独立行政法人、特殊法人、公益法人の、抜本改革も合わせて行なう事は、天下りの問題解決策ではなく、税のムダ遣いをなくす、利権の排除の面からみて、当然、必要不可欠である。

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2009年3月 1日 (日)

あなたは、官民格差に耐えられますか?退職金編

あなたは、官民格差に耐えられますか?~退職金編~


以前、給与の官民格差について、示しましたが、今回は、退職金の官民格差について、示します。

◆退職金の官民格差の実態

下図は、民間企業と国家公務員、地方公務員の退職金の平均値の比較である。
民間企業のデータは、2007年度従業員規模30人以上企業の定年退職者の平均、国家公務員のデータは2006年度の定年退職者の平均、市町村、政令市、都道府県のデータは2007年度の定年退職者の単純平均である。

図を見てもらえればわかるとおり、格差は歴然としている。
民間で最も高い大卒と比較しても、市町村職員は1.15倍国家公務員で1.21倍政令市で1.27倍都道府県で1.37倍となっている。
民間企業のデータは、従業員規模30人以上規模のデータしかないので、それ以下の企業を含めば、実態はもっと格差が大きいことは、容易に推測できる。
ちなみに、従業員規模30人から99人の定年退職者(大卒)の退職金は、平均で1,369万円である。

まさに役人天国と言ってよい状況だ。

本現状の水準が正しいものであるのか、議論されているのであろうか。
国家公務員は人事院、地方公務員であれば人事委員会が、給与水準だけでなく、退職金給付の水準を決めている事の弊害がここにも表れている。

◎退職金の官民格差

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出所:地方公務員給与実態調査結果(総務省)、平成20年就労条件総合調査退職金給付(厚生労働省)を基に作成(チーム『民』)

◆退職手当債って何?

このような状況な中、都道府県、市町村では、財源不足を理由に、地方債を起債して退職金を給付している。
(ちなみに、大阪府は、今年度は、発行しない予定、東京都、鳥取県、島根県は、過去の起債はゼロ)
これは、総務省が2006年度に、団塊世代の大量退職による退職金給付額の増額に対応するために、起債を許可したため(退職手当債)。

起債に関する条件などは、下記のとおり
・平年度ベースを上回る退職者がある団体で、定員・人件費適正化計画を定め、総人件費の削減に取り組む団体を対象に、許可により退職手当債の発行を拡充
・当該団体の退職手当額が平年度ベースの標準退職手当額を上回る額について発行可能
・期間は、2006年からまで2015年の10年間

ここ4年間の起債額は、下記のとおり。

◎退職手当債起債額の推移(2006~2009年度)

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出所:地方財政計画(総務省)を基に作成(チーム『民』)

このような対応が許されて良いのだろうか。
起債するということは、元利だけでなく利子分まで、住民が負担することを意味しているのだから、ひどい話である。
何年に何人退職するかは、あらかじめ分かっており、退職金引き当て分を積み立てておけば良かったこと。
実際に基金を設置し、積立ている自治体もある。

少なくとも、起債額分、退職金を減額すべきではなかろうか。
それでも、ゼロになるわけではないだろう。

◆知事、市長、議員そして、私たちにも責任はある

予測される歳入で足らないのであれば、退職金を減額するのか、他の人件費を削減するのか、住民サービスをカットするのか、公共事業を削減するのか、それとも増税して財源不足を補うのか、これをきっちり議論するのが、議会の役割。
公務員の退職金を支払うために起債すべきかどうか、本当に議会で議論されたのか?

議会において予算は一括で審議・決議されるため、退職金の起債に反対するには、予算全体を否決することに、つながるので、対応が難しいのが現状といえよう。
よって、起債の判断をした、知事、市長の責任は、当然重い。
また、地方の予算は国の予算が決定するまで、編成できず、結局2月末から3月上旬に数日しか審議せず決議しているので、活発な議論など望むべくもない。
一方で、国の予算審議・議決も同様、一括で行なわれており、審議期間は、概ね2ヶ月程度。
これでは、議会の機能を果たしているとは、到底いえない。

議会での予算審議、議決のありかたの抜本改革と、審議期間の大幅な延長を、早急に行なうべきだ。

公務員の人件費の原資は国民、住民が支払う税である。
税を負担している人には、所得の多い人もいれば少ない人もいる。
これらを鑑みれば、公務員の退職金の水準が高いことは明かであり、国会や多くの自治体で削減の議論が行なわれていないこと自体が問題である。

よって、私たちチーム『民』は、以下の改革が必要だと考えている。

・人事院、人事委員会を廃止し、労働三権(範囲は別途検討)を公務員に付与し、給与・退職金の水準を議会の場で審議・議決する
・退職手当債の廃止
・予算審議・議決を一括から、目的別・性質別に
・予算審議期間の大幅な延長

徹底的に議論をつくすよう仕組みを、変えれば退職金の水準は適正化されるのでは、なかろうか。

官民格差の現状に不満を持つ方は、多数いると思われるが、現状のような官民格差を、生んでしまったのは、官僚や地方公務員の言いなりになっている政治家の責任であり、議員を選んでいるのは、私たち国民であり住民であるので、私たちにも責任がある。

これを皆が自覚すれば、自然と投票率も上がり、然るべき議員、知事、市長が選ばれるものと思われる。

もっと政治に関心をもち、参加する人々が増えるよう、私たちもより一層努力しなければならないと、肝に銘じて活動していく。

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2009年2月17日 (火)

あなたは、耐えられますか?官と民の給与格差

官と民の給与格差が大きいことは、みなさんもご承知かと思いますが、官民格差の現状と、格差を正す方法をまとめたので、報告します。

◆官民格差の現状

2007年度の官民格差の現状は、下記のとおり。

独立行政法人ならびに、特殊法人は、事務・技術職員の平均給与、民間企業は、1年を通じて勤務した4,543 万人分の平均給与を用いた。

グラフのとおり、官と民の給与格差は、極めて大きいといえる。

最大である、特殊法人の事務・技術職員との格差は、378万円

民間給与は、2007年度にわずかながら増加したとはいえ、それまで8年連続して減少していたこと、公務員の給与の原資は、全ての老若男女が支払う税であるから、官民の給与格差が著しく大きい現状は、到底、適正なものとは、いえない。

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出所:民間給与実態統計調査(国税庁)、地方公務員給与実態調査(総務省)、国家公務員給与実態調査など

◆官民格差が生じる原因

国家公務員であれば、人事院、地方公務員であれば人事委員会が、一定規模の民間給与を基準に給与水準を定めた勧告を行ない、それに基づき、国政であれば、内閣が勧告の取扱いを決定し、国会の議決により、給与水準が決定されている。

ここに、以下の大きな問題がある。

◎従業員規模の大きい民間企業の給与を基準としている

人事院勧告:企業規模50人以上かつ従業員規模50人以上の民間企業の給与水準
人事委員会勧告:企業規模50人以上でかつ事業所規模50人以上の都道府県内の民間事業所の給与水準

◎基準となる民間企業の給与が、実際の民間給与より高くなる(ラスパイレス方式

公務員の年齢構成・労働力構成を、ベースとなる民間企業に適用して、ベースとなる民間給与を算出する(これをラスパイレス方式という)ため、ベースとなる民間給与が、実際の民間給与よりも高くなり、当然ながら公務員給与が高くなる。

この2点に加え、基本給を決定する俸給表が、年功序列となっていることも問題だ。
職責が高くなくても年齢が高くなれば、職責の高い若年者の給与よりも高くなるような、俸給表となっているのだ。
話を、単純化すれば、35歳の課長と55歳の平社員が、ほぼ同じ給料になるような、棒給表になっているのだ。

◆官民格差を正す方法

官民格差を正す、方法としては、下記2案が、考えられる。

◎案1
人事院・人事委員会の給与勧告を下記に改める。
・比較対照を、全民間企業の給与水準とする
・ラスパイレス方式による比較の廃止
・年功序列の棒給表を改め、適切な範囲で能力主義を導入する

◎案2
人事院・人事委員会を廃止し、政治主導で、国会・地方議会において給与水準を決定する
その際には、国家公務員、地方公務員に、労働三権を付与する(範囲は別途検討)
給与水準は、当然案1の指針がベースとなる

2つの案を提示したが、チーム『民』としては、案2を推奨したい。
理由は、公務員の給与の原資は、国民が支払った税であるので、民主主義国家においては、主権者たる国民の代表である議員が、議会の場で、決定するのが原理原則に適っているから。

これを断行するには、まずは議員自身の給与を削減することが前提条件となるのは、言うまでもない。

労働三権を付与すると、ストを懸念する方もいると思われるが、たとえ給与が下がったとしても、民間企業に比べれば、遥かに安定した職場であることは、公務員自身が知っている。
ストを続け、国民生活に多大な影響を与えれば、国民や住民が黙っていないし、新しい公務員を採用すれば、その先には解雇もある。そんな簡単に民間企業に再就職できないことは、公務員自身が分かっている。

だからストするにも、かなりの覚悟を決めて行なわなければならない状況は、できているので、簡単にストは出来ないといえる。

上記を分かっているからこそ、人事院の改革に強く抵抗しているのだと、断じてよいだろう。

公務員が給与水準をあげたいのであれば、民間企業の給与が総じて増加するような、具体的な施策を考え、行なえばよい。
それこそ、公僕の果たす役割ではないか。

議員も公務員も、老若男女が支払う税により、雇われていることを忘れてはならない
民間給与が減少し続けているのであるから、議員・職員の給与が削減されるのは、当然であり、削減されないのであれば、私たち、生活者・庶民・しみんが、声をあげ、政治を動かしていかなればならない。

小泉元総理は、郵政民営化が改革の本丸と、叫んでいたが、私たちに言わせれば、官民格差の是正こそ、改革の本丸である

議員も含めた官民格差の是正が、選挙の争点になることを、望む。

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2009年1月30日 (金)

天下りおよび給与の状況(独立行政法人など)

天下りおよび給与の状況(独立行政法人など)

今回は、皆さんも注目している天下りの状況および独立行政法人の給与の状況について、調査分析した結果を報告する。

まずは08年度の独立行政法人・特殊法人等の天下りの状況について

はじめに断っておきますが、 「特殊法人等整理合理化計画」(平成13年12月19日閣議決定)、「公務員制度改革大綱」(平成13年12月25日閣議決定)により、公表されているデータを基に分析した結果であります。

◆対象となる法人一覧

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◆2008年度独立行政法人・特殊法人等の役員の状況(退職公務員)

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役員3,337人うち436人が、退職公務員となっている。

◆2008年度独立行政法人・特殊法人等の子会社の役員の状況(退職公務員および退職独立行政法人職員など)

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役員2,480人のうち退職公務員が人、退職独立行政法人職員などが人となっている。

退職公務員は、独立行政法人、特殊法人、認可法人などから、さらに子会社まで天下っている、今話題の、渡りも
この中に含まれるのは、明らかである。

少なくとも、役員として天下っている国家公務員および独立行政法人など政府関連法人職員の数は、1,408人となっている。

これを多いと思うか少ないと思うか、読者に判断を委ねるが、まずは対象となる法人を全ての公益法人に拡大して、天下りの状況を全て公表するよう、法整備することが、改革の第一歩であろう。

次に、独立行政法人の給与・人件費についてまとめたので、報告する。

◆2007年度独立行政法人役員の給与

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さすがに、平均給与は下がってはいるが、民間の給与水準および財政状況、給与の原資が税金であることを考慮すれば、

まだまだ高すぎると言わざるをえない。

◆2007年度独立行政法人職員の給与

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民間の給与水準どころか、国家公務員の給与水準よりも高い状況を考えれば、これも削減の余地があるであろう。

◆2007年度独立行政法人の人件費の状況

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人件費は、前年と比べ増加しているので、改革は掛け声のみ、進んでいないと言わざるをえない。

総括すると、独立行政法人等の改革は、法人の数を削減したが、人件費は増加しているなど、中身が伴っていない事が、

明白になった。

これらの状況を鑑みて、私が考える、公務員制度改革・人件費改革は下記

◆公務員制度改革
・トコロテンを押し出すように階級が上がっていくキャリア制度を廃止
・給与水準を民間並に引き下げ、年功序列的な棒給表・人事評価制度を改めたうえ、終身雇用制度とする
・ノンキャリでも、昇進できるようキャリアパスを設ける

◆人件費改革
民間並に人件費の水準を引き下げる(概ね20%カット)
これで削減できる人件費は
国家公務員    1兆0.650億円
地方公務員      4兆4,254億円
独立行政法人     2,688億円
合計        5兆7,592億円

今後3年間で、上記の改革を断行すべきだと考えていますが、みなさんは、どう思われますか?

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