カテゴリー「経済・政治・国際」の18件の記事

2009年4月25日 (土)

各府省庁の天下り、渡りの現状と、天下りをなくす方策について

総務省が発表した各府省庁2006年から2008年までの再就職のあっせん状況を基に、天下りの現状と、天下りをなくす新たなキャリア制度の構築案をまとめたので、報告します。

◆依然として減らない各府省庁の天下り

2006年~2008年の天下りの状況は、下記表のとおり

2006年626件、2007年621件、2008年625件と、ほぼ同水準で天下りの人数が推移しており、過去3年間、全く状況が変わっていないことが、明らかになった。

国土交通省の天下りの人数が突出して多く、過去3年間で597件、全省庁の合計の約32%を占めている。
いかに、国土交通省の管轄する事業の裾野が広いかが、わかる。

天下り件数が多い上位4省である、国土交通省、経済産業省、農林水産省、財務省の合計は、1,213件、全府省庁の合計の64.8%を占めていること、一方で、環境省は過去3年間で、ゼロであることを、みれば、各省庁の力関係が、はっきり表れているといって良い。

◎各府省庁の天下りの状況(2006年~2008年)

Amakudari090424

出所:平成18年から平成20年末までの再就職のあっせん件数の調査についてを(総務省)基に作成(チーム『民』

2006年~2008年の渡りの状況は、下記表のとおり

年度によってかなり、ばらつきがあり、2007年が最も多く17件となっている。
渡り件数が多い総務省、農林水産省、人事院、国土交通省の合計は18件で、全府省庁の合計の62%を占めており、天下り同様、一部の府省庁に偏っていることが、わかる。

◎各府省庁の渡りの状況(2006年~2008年)

Watari090424

出所:平成18年から平成20年末までの再就職のあっせん件数の調査についてを(総務省)基に作成(チーム『民』

◆天下りの主要因は、早期勧奨退職慣行

国家I種試験を合格して採用される、いわゆる幹部候補生であるキャリア官僚は、横並びで昇進・昇給し、その過程で管理職になれなかった人材は、
早期退職する、早期勧奨退職慣行が、天下りの主要因である。

具体的には、官僚のトップは事務次官に、同期入省、もしくは後年入省のキャリア官僚が登用されると、その他の同期入省者は早期退職となる。
この早期勧奨退職が行なわれると、定年前に、退職する事になり、その後の職業と収入を保障するために天下りを、行なっているというのが、実情である。

◆天下りをなくすには、新たなキャリア制度を作るしかない

・エリートになるべく採用されたのに、官僚のトップになれないのであれば、去り行くのみ
・ただ競争に勝ち残れない場合でも、ある程度身分を保障されないと、有能な人材が集まらない
これらの点を鑑み、生み出された、エリート意識を反映した究極の競争原理と身分保障制度が、キャリア制度と天下りと言って良い。

天下りの主要因は、上述したように、早期勧奨退職慣行であり、これの廃止が天下りをなくすことに直結するはず。
早期勧奨退職慣行をなくすには、国家I種試験合格者のみしか、幹部になれないキャリア制度そのものを抜本改革する事が、必要不可欠である。

新たなキャリア官僚制度の概要
・人事権を、省庁から、内閣府人事院に置く(政治家、各省庁OBで構成、各省庁OBは省庁へは戻れない片道切符)
・35歳~40歳の少数精鋭の幹部候補を、各省庁、民間企業、地方自治体など、幅広く募る(国家公務員については、試験の種別は一切問わない)
・一定期間(5年~10年)幹部としての職務を全うするに相応しいスキルを養う(公務員は、民間企業へ出向、民間企業出身者は、省庁でスキルを養う)
・省庁の利益ではなく、国家の利益を考える人材を育成する
・スキル修得期間を経た者の中から、内閣人事院で、幹部を登用する

国家I種試験による採用者の枠を、現行より大幅に削減し、上述の新たなキャリア制度を構築すれば、早期勧奨退職を行なう必要性は、ほぼなくなると言ってよい。
そればかりか、現状の閉じた人材登用から、民間にも門戸を広げることで、多様な人材を確保でき、新たな人事育成システムを構築することで、優秀な人材を育てられるメリットもある。

天下りやキャリア制度に対する批判は多く、官僚のトップを政治任用すべき、との論調が強い。

ただ、現実問題として、官僚トップを政治任用したところで、官僚組織を知らない人間に、官僚を統括する事はほぼ不可能と言って良く、トップに任用される人材は、一定期間省庁に在籍する必要性が、ある。

実現困難な、策を述べるよりも、天下りをする根拠である、早期勧奨退職慣行をなくせて、さらに多様で専門スキルを有した人材を育成登用できるキャリア制度の構築こそが、問題解決につながるのでは、なかろうか。

民間企業以外の天下り先である、独立行政法人、特殊法人、公益法人の、抜本改革も合わせて行なう事は、天下りの問題解決策ではなく、税のムダ遣いをなくす、利権の排除の面からみて、当然、必要不可欠である。

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2009年3月21日 (土)

二酸化炭素削減ワールドカップ開催?~温暖化防止するための一案~

温暖化防止することは、全世界的な課題であることに、異論をはさむ人は、少ないだろう。

温暖化を防止するには、温暖化を誘発する主要な温室効果ガスである二酸化炭素をどの程度、削減すれば、良いのだろうか?

◆世界で、年間72億炭素トンの二酸化炭素を排出
年間72億炭素トン、これは、2005年現在、世界中で、私たち人間が、排出している二酸化炭素の量(炭素換算)
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が、公表した報告書がまとめた数字。
詳しくは、下記をご参考ください。
「IPCC第4次評価報告書第1作業部会報告書政策決定者向け要約(2007,確定訳)」
http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/ipcc/ar4/ipcc_ar4_wg1_spm_Jpn_rev3.pdf

◆地球が吸収する二酸化炭素の量は、年間31億炭素トン

一方、地球には、大気中にある二酸化炭素を吸収してくれる。
まず、森林や植物など陸上の生物が吸収してくれる量が、9億炭素トン、そして、海洋22億炭素トンを吸収してくれる。
都合、年間31億炭素トンの二酸化炭素を、地球が吸収してくれる。

と言うことは、年間31億炭素トン以下でなければ、温暖化は防止できない、ということ。
つまり、2005年を基準とすれば、世界中で、少なくとも41億炭素トンを削減しなければならない。

◆41億炭素トン削減するには?

温暖化を防止するには、下記2つの方策しかないのは、自明

・人間が、排出する二酸化炭素の量を、削減する
・地球が、吸収する二酸化炭素の量を、増加させる

森林を増やすことはできても、海を増やすことは、さすがに、人間の力では、無理だろう。
よって、排出量を削減することが、最優先すべき防止策であることは、明らか。

世界の二酸化炭素排出量は、下図

◎世界の二酸化炭素排出量2005年

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出所:EDMC/エネルギー経済統計要覧2008を基に作成(チーム『民』)

日本の排出量は年間3.41億炭素トン
単純換算する、削減しなければならない量は、
3.41×41/72=1.94億炭素トン

1990年の二酸化炭素排出量は、3.12億トンだから、
1990年比の62%を削減しなければならないことになる。

早急に、温暖化防止の長期目標を設定しなければ、ならない状況にあるが、1.94億炭素トンが、削減目標の基準値となる。

2050年までに、二酸化炭素排出量2.5億炭素トン(90年比80%)の削減ぐらいを設定して、削減に取り組むぐらいが、妥当では、ないか。
(目標値の80%達成で、3.12億トンの最低目標が達成できる)

大変なことではあるが、温暖化防止することは、未来にも続く社会を実現するには、必要不可欠なこと。

温暖化防止は、全世界レベルの課題であると、同時に、経済を牽引する大きな要素である。
どの国が、最初に最低削減目標を達成するかを、競争すれば、良いのではなかろうか。
この際、二酸化炭素削減ワールドカップでも開催すれば、面白いんじゃないかと、まじめに、考えたりする。

私も興奮しながら見ているWBC。
WBCほどエキサイティングとは、言えないが、WBCの優勝以上に、二酸化炭素削減ワールドカップの優勝は、名誉あること。
大きな目標を達成するには、国の威信をかけた競争意識も、また必要な要素だろう。

二酸化炭素削減ワールドカップに優勝すれば、悲願である国連の常任理事国の座も手に入るのでは。

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2009年3月19日 (木)

アメリカの景気刺激対策法案(環境・エネルギー対策編)

今回は、アメリカの景気刺激対策法案で講じられた、環境・エネルギー対策から、オバマ大統領が掲げるグリーン・ニューディール政策の方向性について、報告します。

◆予算規模は6.83兆円
2 月17 日に成立したアメリカの景気刺激対策法案77.1兆円のうち、環境分野の予算規模は、6.83兆円。
景気刺激対策法案の8.9%を占める規模。

予算の大枠は、下図

クリーンエネルギー・省エネへの投資4.19兆円と最も多く、61%を占める割合となっている。また、再生可能エネルギーへの投資減税1.96兆円と、規模が大きい。

◎環境・エネルギー対策予算

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出所:US House of Representatives. Committee on Appropriations. “Summary: American Recovery and Reinvestment.”February 13, 2009.を基に作成(チーム『民』)

◆送電網の新設・補修に1兆780億円、再生可能エネルギーへの投資減税に2兆円

詳細内訳は、下記表のとおり

◎環境・エネルギー対策予算内訳

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出所:US House of Representatives. Committee on Appropriations. “Summary: American Recovery and Reinvestment.”February 13, 2009.を基に作成(チーム『民』)

非常に多岐に渡った、対策が講じられている。

最も予算規模が大きいのは、送電網の新設・補修と、SmartGrid計画の支援で、1兆780億円計上され、古くなった送電網を、安全かつ効率的で安定した電力の供給が可能となるような修繕と、再生可能エネルギーを運ぶ送電網の新設が、主な使途となっている。

研究開発助成が、8,134億円計上されており、技術開発により環境分野での国際競争力向上を目指している、ことがわかる。

また原子力発電関連の予算措置は、放射性廃棄物の処理のみしかなく、再生可能エネルギー・省エネルギーが、温暖化対策の柱としていることが、わかる。

省エネ商品やエネルギー効率の高いバス自動車の購入補助や、再生可能エネルギーへの投資補助など、補助・融資も多く予算措置されているので、予算規模以上の経済効果があるとみて間違いない。

ただ、オバマ大統領が主張している、今後2 年間で350 万人の雇用創出には、追加の経済措置は、さけられないと見た方が、良い。

財政支出だけでなく、環境税や排出権取引制度の導入など、地球温暖化対策を行なうことによりインセンティブが得られる、社会制度の整備も必要不可欠だといえる。

とは言っても、日本の国家予算純計(借金返済を除く)が127兆円であるから、その5%に当る額が、環境分野への投資に支出されているのだから、スケールは大きい。

地球温暖化対策に消極的な姿勢であったアメリカが、政権が変わって、姿勢が180度転換されたのだから大きな評価に値する。
と同時に、省エネ・再生エネルギー分野での、日本の国際競争力の低下を、懸念せざる、を得ない。

麻生内閣も、09年度の補正予算を早々に組むのは、間違いないと思われるが、どの程度環境分野への投資に予算配分されるのか?省庁の力関係を考慮すると、あまり期待できないのが、現状だ。

現在の経済状況を考えれば、道路や鉄道を中心とする公共事業も必要だが、再生可能エネルギー・省エネへの投資は、景気対策だけでなく、地球温暖化対策、エネルギー安全保障上も、必要不可欠。

発想の大転換を求む。

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2009年3月14日 (土)

地域経済動向、業況は大幅悪化!どうする今後の経済対策

内閣府がまとめた地域経済動向が公表されたので、その内容と、今後の景気対策の考え方について、先日成立した二次補正予算に対する所見を含め、示します。

◆業況判断DIは全国平均24%悪化(前年同期比)

まずは、景気の動向をみるうえで注目されている業況判断DIから
「業況判断DI」とは、景気の状況に対して「良い」「さほど良くない」「悪い」の3択で調査を行い、「良い」と回答した企業の比率から「悪い」と回答した企業の比率を引いた数値のこと。

地域別の2008年10月から12月期の業況判断DIと、その推移は、下図および、下記表のとおり。

北陸が最も悪く-33%、全国平均-24であるから、9ポイントも悪い。
また前期比で最も悪くなったのは、東海で15ポイント悪化している。
東海は特に製造業が20ポイントも悪化しており、輸出産業が多いため、世界金融危機の影響をモロに受けていると推察できる。

また、09年3月期の見込みは、軒並み-40%以下となっており、さらに状況が悪化すると、企業は見ていることがわかる。

◎2008年10月-12月期業況判断DI

Di081012

出所:内閣府政策統括官室「地域経済動向」を基に作成(チーム『民』)

◎業況判断DIの推移および見込み

Di08

出所:内閣府政策統括官室「地域経済動向」を基に作成(チーム『民』)

◆倒産件数は全国平均15.8%増加(前年同月比)

2009年1月の倒産件数の前年同月比増減率は、下図。

北陸59.3%と最も倒産件数の増加が高く、全国平均15.8%の3.75倍と極めて深刻な状況である。
また、2008年の四半期毎の推移をみると、7-9月期から急速に倒産件数が増加しており、年間をとおして、7-9月期が最も倒産件数の前年同期比増加率が高かった事がわかる。
7-9月期に比較すれば、前年同期(月)比の増加率は、下がっているは、以前高い増加率にある。

◎2009年1月の倒産件数(負債総額1,000万円以上)(前年同期(月)比増減率)

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出所:(株)東京商工リサーチ「倒産月報」を基に作成(チーム『民』)

◎2008年の倒産件数(負債総額1,000万円以上)(前年同期(月)比増減率)推移

Tousan08suii

出所:(株)東京商工リサーチ「倒産月報」を基に作成(チーム『民』)

◆世帯消費支出は、地域差はあるが悪化

次に、個人消費の動向の変化についてみてみる。

全世帯消費支出(前年同期比増減率)は、下記のとおり。
内閣府の資料は、項目毎のデータがなかったので、家計調査(総務省)を基に独自に分析してみた。

企業の景況感に比べると、支出の落ち込みは、大きくはないが、12月は全国平均で-1.7%下がっている。

四国中国は特に落ち込みが大きく、それぞれ-15.2%-6.2%となっており、特に自動車関係費、被服履物、教養娯楽費の、下げ幅が大きくなっている。
全国平均でも、自動車関係費の下げ幅が最も高くなっており、自動車業界にとっては、厳しい状況となっている。

今後の景気動向次第では、賃金カットや離職のリスクが高まり、支出の落ち込みが大きくなることが、予想される。

◎2008年10-12月期項目別全世帯消費支出(前年同期比増減率)

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出所:総務省「家計調査」を基に作成(チーム『民』)

◆今後の景気対策のあり方

~埋蔵金と政府紙幣の発行で思い切った財政支出をすべし~

景気が悪いと言えば、言うほど悪くなるとも言われているので、あまり書きたくなくはないが、極めて厳しい状況である。

速やかに、財政支出による景気対策を行なう必要性が日に日に高まっていると言って良いだろう。
3年間で合計50兆円近くの実需に直結する経済対策が必要不可欠だと、私たちチーム『民』は、考えている。

財源としては、特別会計の余剰金・積立金である埋蔵金25兆円政府紙幣の発行25兆円で行なえば、後年に財政負担が残らないので、十分実現可能であろう。

2008年度一次補正予算、二次補正予算、現在参議院で審議中の2009年度の本予算で行なう経済対策75兆円のうち、63兆円が金融措置であり、財政措置は、12 兆円程度。

金融措置も必要であるが、これだけ多くの金融措置をしても、中小企業には、一社当たり2,000~3,000万程度しか廻らないらないのではないか。

その程度では、ほとんどが、つなぎの資金に消えるだけで、残るのは借金となるのが関の山。
結局、仕事を作らなければ、何にもならない。

先日成立した2008年度の二次補正予算4兆7,858億円(金融政策を除く)のうち、実需に直結する支出は下記だけと言ってよい。

・地方公共団体支援対策費・・・6,000 億円
・集中豪雨・耐震対策等防災対策
・・・1,236億円
・安全・安心な交通空間の確保と交通ネットワークの整備
・・・794億円
・学校等耐震化
・・・786 億円

合計・・・8,816億円

確かに、出産・子育て支援対策費2,451 億円(待機児童ゼロ化、第2 子以降の幼児がいる世帯については幼児1 人当たり年3.6 万円支給、妊婦健診について、14 回まで無料化)、介護従事者処遇改善・人材確保等対策費1,491 億円など、生活対策としては効果見込める政策も確かにあるが、仕事を作らなければ、不況を脱する事はできない。

結局、定額給付金の2 兆395 億円高速道路料金の大幅引下げ5,000億円が、大きなウェイトを占めてしまっているのは、残念でならない。

不況を脱するには、実需につながる予算措置が少なすぎる。

後年に財政負担が残らない財源拠出の手段があるのだから、思い切った策を打ち出すべき。
平時モードの延長線上の対応では、お話にならない。

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2009年3月 1日 (日)

あなたは、官民格差に耐えられますか?退職金編

あなたは、官民格差に耐えられますか?~退職金編~


以前、給与の官民格差について、示しましたが、今回は、退職金の官民格差について、示します。

◆退職金の官民格差の実態

下図は、民間企業と国家公務員、地方公務員の退職金の平均値の比較である。
民間企業のデータは、2007年度従業員規模30人以上企業の定年退職者の平均、国家公務員のデータは2006年度の定年退職者の平均、市町村、政令市、都道府県のデータは2007年度の定年退職者の単純平均である。

図を見てもらえればわかるとおり、格差は歴然としている。
民間で最も高い大卒と比較しても、市町村職員は1.15倍国家公務員で1.21倍政令市で1.27倍都道府県で1.37倍となっている。
民間企業のデータは、従業員規模30人以上規模のデータしかないので、それ以下の企業を含めば、実態はもっと格差が大きいことは、容易に推測できる。
ちなみに、従業員規模30人から99人の定年退職者(大卒)の退職金は、平均で1,369万円である。

まさに役人天国と言ってよい状況だ。

本現状の水準が正しいものであるのか、議論されているのであろうか。
国家公務員は人事院、地方公務員であれば人事委員会が、給与水準だけでなく、退職金給付の水準を決めている事の弊害がここにも表れている。

◎退職金の官民格差

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出所:地方公務員給与実態調査結果(総務省)、平成20年就労条件総合調査退職金給付(厚生労働省)を基に作成(チーム『民』)

◆退職手当債って何?

このような状況な中、都道府県、市町村では、財源不足を理由に、地方債を起債して退職金を給付している。
(ちなみに、大阪府は、今年度は、発行しない予定、東京都、鳥取県、島根県は、過去の起債はゼロ)
これは、総務省が2006年度に、団塊世代の大量退職による退職金給付額の増額に対応するために、起債を許可したため(退職手当債)。

起債に関する条件などは、下記のとおり
・平年度ベースを上回る退職者がある団体で、定員・人件費適正化計画を定め、総人件費の削減に取り組む団体を対象に、許可により退職手当債の発行を拡充
・当該団体の退職手当額が平年度ベースの標準退職手当額を上回る額について発行可能
・期間は、2006年からまで2015年の10年間

ここ4年間の起債額は、下記のとおり。

◎退職手当債起債額の推移(2006~2009年度)

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出所:地方財政計画(総務省)を基に作成(チーム『民』)

このような対応が許されて良いのだろうか。
起債するということは、元利だけでなく利子分まで、住民が負担することを意味しているのだから、ひどい話である。
何年に何人退職するかは、あらかじめ分かっており、退職金引き当て分を積み立てておけば良かったこと。
実際に基金を設置し、積立ている自治体もある。

少なくとも、起債額分、退職金を減額すべきではなかろうか。
それでも、ゼロになるわけではないだろう。

◆知事、市長、議員そして、私たちにも責任はある

予測される歳入で足らないのであれば、退職金を減額するのか、他の人件費を削減するのか、住民サービスをカットするのか、公共事業を削減するのか、それとも増税して財源不足を補うのか、これをきっちり議論するのが、議会の役割。
公務員の退職金を支払うために起債すべきかどうか、本当に議会で議論されたのか?

議会において予算は一括で審議・決議されるため、退職金の起債に反対するには、予算全体を否決することに、つながるので、対応が難しいのが現状といえよう。
よって、起債の判断をした、知事、市長の責任は、当然重い。
また、地方の予算は国の予算が決定するまで、編成できず、結局2月末から3月上旬に数日しか審議せず決議しているので、活発な議論など望むべくもない。
一方で、国の予算審議・議決も同様、一括で行なわれており、審議期間は、概ね2ヶ月程度。
これでは、議会の機能を果たしているとは、到底いえない。

議会での予算審議、議決のありかたの抜本改革と、審議期間の大幅な延長を、早急に行なうべきだ。

公務員の人件費の原資は国民、住民が支払う税である。
税を負担している人には、所得の多い人もいれば少ない人もいる。
これらを鑑みれば、公務員の退職金の水準が高いことは明かであり、国会や多くの自治体で削減の議論が行なわれていないこと自体が問題である。

よって、私たちチーム『民』は、以下の改革が必要だと考えている。

・人事院、人事委員会を廃止し、労働三権(範囲は別途検討)を公務員に付与し、給与・退職金の水準を議会の場で審議・議決する
・退職手当債の廃止
・予算審議・議決を一括から、目的別・性質別に
・予算審議期間の大幅な延長

徹底的に議論をつくすよう仕組みを、変えれば退職金の水準は適正化されるのでは、なかろうか。

官民格差の現状に不満を持つ方は、多数いると思われるが、現状のような官民格差を、生んでしまったのは、官僚や地方公務員の言いなりになっている政治家の責任であり、議員を選んでいるのは、私たち国民であり住民であるので、私たちにも責任がある。

これを皆が自覚すれば、自然と投票率も上がり、然るべき議員、知事、市長が選ばれるものと思われる。

もっと政治に関心をもち、参加する人々が増えるよう、私たちもより一層努力しなければならないと、肝に銘じて活動していく。

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2009年2月25日 (水)

10年で何が変わったのか?~分配面からみた国民経済計算その2~

今回は、分配面からみた国民経済計算の変化の、2回目です。まずは、前回のおさらい。

◎前回のまとめ

・デフレ化においては、単位労働費用つまり雇用者報酬の圧縮が、大きい
・雇用者報酬、労働分配率が減少し、固定資産減耗が営業余剰・混合所得は増加
・固定資産減耗の割合の増加が、雇用者報酬の押し下げ要因になる

今回は、1人当りの雇用者報酬・賃金の推移を中心に、変化をみます。

◎1人当りの雇用者報酬および賃金の推移

では、雇用者1人当りの報酬および賃金の推移は、どのように変化したのであろうか?
下図は、雇用者1人当りの報酬および賃金、雇用者報酬、雇用者1人当りの報酬、雇用者1人当りの賃金、および雇用者の成長率の推移である。成長率は、1993年を100として算出した。

1人当りの雇用者報酬、雇用者の賃金は、1997年をピークに、2004年まで減少し、その後下げ止まりしていることがわかる。

1997年までは、雇用者報酬の成長が、雇用者1人当りの報酬および賃金に還元される割合が、高かったが、2004年以降は、雇用者報酬が下げ止まり増加局面に達しても、雇用者1人当りの賃金に還元されず、雇用者数の増加に寄与していることが、わかる。

~1人当りの報酬・賃金、雇用者報酬、1人当りの雇用者報酬・賃金、および雇用者の成長率の推移~

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出所:国民経済計算(内閣府)を基に作成(チーム『民』)

雇用者報酬 = 雇用者の賃金+雇主の社会負担
雇主の社会負担 = 雇主の現実的社会負担 + 雇主の帰属社会負担
雇主の現実社会負担:健康保険などの社会保険料や厚生年金基金などの負担額のうち雇主負担分
雇主の帰属社会負担:退職一時金、業務災害補償などの雇主負担額

さらに、97年以降の雇用者報酬の変動を、雇用者数の変化と、雇用者一人当たりの報酬の変化に要因分解してみると、2003年、2003年は、1人当りの雇用者報酬の落ち込みが、雇用者報酬の引き下げに大きく寄与しており、雇用者報酬の成長率がプラスに転じた、2005年以降も伸び悩んでいることが、はっきりと分かる。

一方で、2003年以降は、雇用者数の増加が、雇用者報酬の成長に大きく寄与していることが、わかる。

~雇用者報酬の変化と1人当りの報酬・雇用者数への寄与度分解~

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出所:国民経済計算(内閣府)を基に作成(チーム『民』)

◎労働の変化

1人当りの雇用者報酬および賃金が減少している理由としては、派遣社員の割合が増えていることが考えられる。
下図は、正規社員と非正規社員の推移である。
98年と2007年を比較すると、正規社員は、353万人減少98年比:9.1%減)、一方で非正規社員は588万人増加98年比:47.7%増)し、労働者にしめる非正規社員の割合は、33.5%(9.9%増)にまで達している。

~正規社員・非正規社員の推移~

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出所:労働力調査長期時系列データ(総務省)を基に作成(チーム『民』)

雇用形態別の年収階層分布を示した結果が、下図。

非正規社員は、100万円未満が最も多く42.3%年収200万円未満の割合が77%、一方、正規社員の67%が、500万円未満となっており、格差が極めて大きいことがわかる。
非常に低い賃金の非正規社員が、急増しているのだから、当然、1人当りの雇用者報酬および賃金は、減少するのは自明であり、名目GDPの成長に雇用者報酬が追いつかず、労働分配率も上がらないのは、当然の帰結だといってよい。
グローバル競争を勝ち抜くうえで、労働生産性を向上させることは至上命題であるが、賃金の安い派遣社員を増やし人件費の削減による労働生産性に走ってしまったのは、
妥当な対応であったとは、到底いえない。

~雇用形態別の年収階層分布(2007年度)~

Hiseikiseikinenshyu07_2

出所:労働力調査詳細結果(総務省)を基に作成(チーム『民』)

◎失業率と名目GDPの推移

では、非正規社員を増やしたことによる負の側面は、上述したとおりであるが、良かった点は何であろうか。
下図は、失業率と名目GDPの実数と変化率の推移である。

~失業率と名目GDPの実数と変化率の推移~

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出所:労働力調査詳細結果(総務省)及び国民経済計算確報(内閣府)を基に作成(チーム『民』)

失業率の減少は、名目GDPの成長を上回っており、派遣社員を増やしたことは、失業率を低下させることには、寄与したといってよい。
これは、非正規社員を増やしたことの、正の側面といって良いだろう。

ただ、正規社員と非正規社員の格差はあまりにも大きいので、同一労働・同一賃金など派遣社員の待遇をする法整備することが急務であるのは、言うまでもない。

また、労働生産性を増やすには、生産コストを下げるのではなく、高付加価値の製品・サービスを生み出す戦略にシフトする必要がある。

金融危機により景気が大幅に悪化している現在、市場にはその余力は、ない。

産業構造の大転換を、政治主導で行なうしかないのだが、政府の対応の概ね半分は、金融面での対応であり、これでは、危機を脱せない。
なんとか、融資されても、仕事をつくる資金になるのではなく、食いつなぐ資金になるだけで、その先には返済がまっている。

新しい産業を生み出す、仕事をつくるための、財政出動を行なうのが、本当の景気対策。

私たちチーム『民』としては、早急に下記の景気対策を行なうべきだと、考えている。

◆経済対策
・政府系ファンドを設置し、環境ビジネス・サービスロボット分野に大規模な出資し、産業を育成する
・太陽光パネルを中心とする自然エネルギー利用発電の普及促進策として、大規模な助成を実施する
・省エネ照明や機器の設備投資に対する、大規模な助成

◆負担軽減策
・飲食品および公共料金の消費税0%(ゼロ税率:もちろん恒久的に)

◎まとめ

分配面からみた国民経済計算の推移をみると、下記のことが、わかった。

・1人当りの雇用者報酬および賃金は、97年以降長期低迷、雇用者報酬の成長率がプラスに転じた05年以降も、伸び悩む
・2003年以降は、雇用者数の増加が、雇用者報酬の成長に大きく寄与、しかし増加したのは非正規社員
・1人当りの雇用者報酬が低迷した、大きな要因は、派遣労働者の急増

戦後最長の好景気と言われていたが、実態は不況を脱したにすぎず、雇用者の報酬にはほとんど還元されていない現状が、浮きぼりになった。

このような状況の中、今回の金融危機、政治が判断や行なうべき施策の選択を誤れば、今後長い間経済は低迷し、私たちの生活水準は、益々悪くなるだろう。

次は、分配面からみた国民経済計算の国際比較について示します。

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2009年2月24日 (火)

10年で何が変わったのか?分配面からみた国民経済計算その1

10年で何が変わったのか?

国民経済計算とは、国の経済を構成する諸側面を系統的・組織的に捉え、記録するマクロ経済統計のことですが、今回は、分配面からみた国民経済計算が10年でどのように変わったのかを、示します。

内容が多岐にわたるので、数回に分けて、示します。

◎分配面からみたGDPの構成


分配面から見たGDPは、下図のような構成にる。

Bunpaigdp

・雇用者報酬=雇用者の賃金+雇主の社会負担
・営業余剰:企業の営業利益
・混合所得:個人企業・農家の労働所得+資本所得
・純間接税=間接税-補助金
・固定資本減耗:構築物、設備、機械など再生産可能な固定資産について、通常の摩損および損傷(減価償却費)と、通常予想される範囲における火災・風水害等の偶発事故(資本偶発損)等からくる減耗分を評価した額

◎分配面からみたGDPの変化(1998年と2007年の比較)

分配面から、みたGDPの変化は表のようになる。

雇用者報酬は、8兆5,824億円減、それ以外の構成要素は、全て増加しており、営業余剰・混合所得は、3兆6,735億円増加固定資産減耗は、9兆3,640億円増加、名目のGDPも増加となっている。
構成比は、雇用者報酬は、3.0%減、営業余剰・混合所得は、0.3%増、固定資産減耗は、1.3%増となっている。

ここで、名目GDPに占める雇用者報酬の割合=労働分配率なので、労働分配率が、10年前に比べ、3.0%下がっている

10年前と比較し、労働分配率が下がった要因としては、営業余剰・混合所得の増加というよりは、むしろ固定資産減耗の増加の影響が大きいことがわかる。

~分配面からみたGDPの比較(1998年度と2007年度)~

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出所:国民経済計算確報(内閣府)を基に作成(チーム『民』)

◎雇用者報酬および労働分配率の推移

では、雇用者報酬は、いつ頃から、減少したのであろうか。

雇用者報酬金額と労働分配率の推移を、みると、雇用者報酬の金額は、97年までは、増加しているが、それ以降、03年までは、基本的に減少、05年以降増加している。
労働分配率は、97年をピークに、それ以降は、減少傾向にあり、05年、06年は、一時的に持ち直したものの、07年はまた減少している。

~雇用者報酬および労働分配率の推移(1993年~2007年度)~

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出所:国民経済計算確報(内閣府)を基に作成(チーム『民』)

では、この間名目GDPならびに、その他の構成要素は、どのように変化したのか。

分配面からみたGDPの構成要素の成長率の推移を示したグラフが下図。

名目GDPの成長と雇用者報酬の成長が、2001年度までは、ほぼシンクロしており、2002年度以降は、名目GDPの成長に、雇用者報酬の成長が追いつかなくなっていることが、わかる。

また、営業余剰・混合所得は94年以降、一度も100%を超えることはなく、一方で、固定資産減耗は、増加し続け、2007年度には125%(93年比)となっている。

固定資産減耗の増加が、雇用者報酬の伸び悩みの、大きな要因となっていることがわかる。

~分配面からみたGDPおよび構成要素の成長率の推移(1993年~2007年度)~

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出所:国民経済計算確報(内閣府)を基に作成(チーム『民』)

◎GDPデフレーターと雇用者報酬の関係

次に、雇用者報酬が減少する要因を把握するため、GDPデフレーターと、雇用者報酬の関係について、分析した。

GDPデフレーター = 名目GDP/実質GDP で算出される。
これは、概念としては、『生産量1単位当りの名目付加価値』、つまり『生産量1単位で、いくら稼げるのか』と、みても良い。

また名目GDPは、以下の式で表される

名目GDP = 雇用者報酬+営業余剰・混合所得+固定資産減耗+純間接税

よってGDPデフレーターは、下記式で算出できると考えて良い。

GDPデフレーター = 単位労働費用+単位当たりの雇用者報酬以外の構成要素

単位労働費用(生産量1単位当りの雇用者報酬) = 雇用者報酬/実質GDP
単位当たりの雇用者報酬以外の構成要素 = (営業余剰・混合所得+固定資産減耗+純間接税)/実質GDP

95年~07年は、基本的には、 『生産量1単位当りの稼ぎが少ない状況』 、つまりデフレといって良い。
単位労働費用は、97年度の上昇を最後に、以降、前年比は全てマイナス、単位当たりの雇用報酬以外の構成要素は、2002年~2004年にかけては前年比プラスになったが、それ以降は、再びマイナスに転じている。

まとめると、デフレ化においては、単位労働費用および、単位当たりの雇用報酬以外の構成要素は、共にマイナスになり、特に単位労働費用の圧縮、つまりは雇用者報酬の減少が、より大きくなっていることが、明らかになった。

~GDPデフレーターの単位労働費用などへの寄与分解~

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出所:国民経済計算確報(内閣府)を基に作成(チーム『民』)

◆まとめ

分配面からみた国民経済計算を10年前と比較すると、下記のことが、わかった。

・デフレ化においては、単位労働費用つまり雇用者報酬の圧縮が、大きい

・雇用者報酬、労働分配率が減少し、固定資産減耗が営業余剰・混合所得は増加

・固定資産減耗の割合の増加が、雇用者報酬の押し下げ要因になる

その2では、1人当りの賃金がどのように推移したのか等を、示します。

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2009年2月17日 (火)

あなたは、耐えられますか?官と民の給与格差

官と民の給与格差が大きいことは、みなさんもご承知かと思いますが、官民格差の現状と、格差を正す方法をまとめたので、報告します。

◆官民格差の現状

2007年度の官民格差の現状は、下記のとおり。

独立行政法人ならびに、特殊法人は、事務・技術職員の平均給与、民間企業は、1年を通じて勤務した4,543 万人分の平均給与を用いた。

グラフのとおり、官と民の給与格差は、極めて大きいといえる。

最大である、特殊法人の事務・技術職員との格差は、378万円

民間給与は、2007年度にわずかながら増加したとはいえ、それまで8年連続して減少していたこと、公務員の給与の原資は、全ての老若男女が支払う税であるから、官民の給与格差が著しく大きい現状は、到底、適正なものとは、いえない。

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出所:民間給与実態統計調査(国税庁)、地方公務員給与実態調査(総務省)、国家公務員給与実態調査など

◆官民格差が生じる原因

国家公務員であれば、人事院、地方公務員であれば人事委員会が、一定規模の民間給与を基準に給与水準を定めた勧告を行ない、それに基づき、国政であれば、内閣が勧告の取扱いを決定し、国会の議決により、給与水準が決定されている。

ここに、以下の大きな問題がある。

◎従業員規模の大きい民間企業の給与を基準としている

人事院勧告:企業規模50人以上かつ従業員規模50人以上の民間企業の給与水準
人事委員会勧告:企業規模50人以上でかつ事業所規模50人以上の都道府県内の民間事業所の給与水準

◎基準となる民間企業の給与が、実際の民間給与より高くなる(ラスパイレス方式

公務員の年齢構成・労働力構成を、ベースとなる民間企業に適用して、ベースとなる民間給与を算出する(これをラスパイレス方式という)ため、ベースとなる民間給与が、実際の民間給与よりも高くなり、当然ながら公務員給与が高くなる。

この2点に加え、基本給を決定する俸給表が、年功序列となっていることも問題だ。
職責が高くなくても年齢が高くなれば、職責の高い若年者の給与よりも高くなるような、俸給表となっているのだ。
話を、単純化すれば、35歳の課長と55歳の平社員が、ほぼ同じ給料になるような、棒給表になっているのだ。

◆官民格差を正す方法

官民格差を正す、方法としては、下記2案が、考えられる。

◎案1
人事院・人事委員会の給与勧告を下記に改める。
・比較対照を、全民間企業の給与水準とする
・ラスパイレス方式による比較の廃止
・年功序列の棒給表を改め、適切な範囲で能力主義を導入する

◎案2
人事院・人事委員会を廃止し、政治主導で、国会・地方議会において給与水準を決定する
その際には、国家公務員、地方公務員に、労働三権を付与する(範囲は別途検討)
給与水準は、当然案1の指針がベースとなる

2つの案を提示したが、チーム『民』としては、案2を推奨したい。
理由は、公務員の給与の原資は、国民が支払った税であるので、民主主義国家においては、主権者たる国民の代表である議員が、議会の場で、決定するのが原理原則に適っているから。

これを断行するには、まずは議員自身の給与を削減することが前提条件となるのは、言うまでもない。

労働三権を付与すると、ストを懸念する方もいると思われるが、たとえ給与が下がったとしても、民間企業に比べれば、遥かに安定した職場であることは、公務員自身が知っている。
ストを続け、国民生活に多大な影響を与えれば、国民や住民が黙っていないし、新しい公務員を採用すれば、その先には解雇もある。そんな簡単に民間企業に再就職できないことは、公務員自身が分かっている。

だからストするにも、かなりの覚悟を決めて行なわなければならない状況は、できているので、簡単にストは出来ないといえる。

上記を分かっているからこそ、人事院の改革に強く抵抗しているのだと、断じてよいだろう。

公務員が給与水準をあげたいのであれば、民間企業の給与が総じて増加するような、具体的な施策を考え、行なえばよい。
それこそ、公僕の果たす役割ではないか。

議員も公務員も、老若男女が支払う税により、雇われていることを忘れてはならない
民間給与が減少し続けているのであるから、議員・職員の給与が削減されるのは、当然であり、削減されないのであれば、私たち、生活者・庶民・しみんが、声をあげ、政治を動かしていかなればならない。

小泉元総理は、郵政民営化が改革の本丸と、叫んでいたが、私たちに言わせれば、官民格差の是正こそ、改革の本丸である

議員も含めた官民格差の是正が、選挙の争点になることを、望む。

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2009年2月16日 (月)

10年で何が変わったのか?家計収入・支出編

10年で何が、変わったのか?

第1回目は、家計収入支出は、どのように推移したのかを、総務省家計調査報告を基にまとめたので、報告する。
分析した、データは、勤労者世帯の平均で、標本数は年度により異なるが概ね40万世帯、標本平均世帯人員は3.5人

◆家計収入の推移(1999年~2008年)

全ての収入が減少しており、特に、実収入、可処分所得は月額ベースで、約4万円程度減少
世帯主の賞与・臨時収入とその他世帯員収入は、それぞれ15.2%、17.2%減となっている。
予測はしていたが、所得が減少し続けていることが、明らかになった。

月別家計実収入の推移(1999年~2008年)

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月別家計実収入の比較(1999年、2008年)

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出所:家計調査報告(総務省)を基に作成

◆家計実支出の推移(1999年~2008年)

消費支出に大きな影響を与える、可処分所得が減少しているので、当然、消費支出も減少している。

実消費支出消費支出は、いずれも約20,000円程度減少、多くの消費支出が減少しており、特に被服・履物費などは24.4%も減少している。

一方で、交通通信費、光熱水道費、医療費、教育費は、増加している。
増加している項目は、いずれも義務的経費であり、支出面からみても負担が重くなっていることが、明らかになった。

月別家計実支出の推移(1999年~2008年)

Kakeishisyutu9908

月別家計実支出の比較(1999年、2008年)

Kakeisisyutu9908_2

出所:家計調査報告(総務省)を基に作成

◆家計非消費支出(2000年と2008年の比較)

細かいデータは、2000年からしか入手できないので、2000年との2008年の比較とした。

家計非消費支出 = 税+公的保険料の負担 と考えてもらって、さしつかえない。

家計非消費支出としては、月額3,143円増額(3.6%増)、中でも、個人住民税が4,875円増額(34.7%増)その他社会保険料が2,112円増額(155.8%増)となっている。

個人住民税については、税制改正により所得税の一部を、住民税に税源移譲した影響がでている。
税源移譲により、負担は変わらないと政府は言っていたが、直接税としては1,777円増額(4.4%)となっており、実態は負担増となっていることが、明らかになった。

その他社会保険料については、介護保険が導入されたため、負担増になった。

家計非消費支出の比較(2000年、2008年)

Kakeihisyouhisisyutu0008

出所:家計調査報告(総務省)を基に作成

◆総括

家計収入・支出の推移を、総括すると、下記となる。

・実収入および可処分所得が減少する中、家計非消費支出(税や社会保険の負担)が増額となっており、家計負担が重くなっている
・可処分所得および消費支出の減少が、内需低迷に影響を及ぼしている

結局、私たちの暮らしはや経済は、総じて悪くなったと、結論づけて良いだろう。

苦しい家計を、救い、生活を立て直す施策は、下記に大別される。

◎所得を増やす
◎家計負担を減らす

所得を増やすことは、100年に一度の経済危機の真っ只中にあっては、ある程度の時間を要するのは自明であるので、長期的な取組みとして、行なうしかない。
その施策としては、新しいビジネスの創造、特に、可能性を秘めている、環境関連ビジネスとサービスロボット産業に、集中的投資を行なうべきと、考えている。

短期間に所得を増やすことは、極めて厳しい状況であるので、まずは、家計負担を減らすことを実行すべきである。

家計負担を減らす方策としては、減税もしくは公的サービスの公的負担を増やすがある。
チーム『民』としては、下記具体策を実行すべきと考えている。

◎減税
飲食品および公共料金の消費税0%
課税最低限所得の引き上げ

◎公的サービスの公的負担増やす
教育費の公的負担の増額(まずは、幼稚園・保育園の無料化・待機児童ゼロ化)
公共料金の引き下げ(公営企業職員の給与水準の適正化、不必要な公共事業の廃止で、財源を捻出)

上記を実現するには、いかにして財源を捻出するかが、課題であり、徹底的な行革を推進し、むだゼロ政治を断行することが、唯一無二の策である。
“行政のむだ”を、洗い出し、撲滅するよう、心がけていく所存である。

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2009年2月15日 (日)

特殊法人の給与水準および人件費について

今回は、特殊法人の給与水準および人件費について、まとめたので、報告する。

◆特殊法人の職員の給与水準

事務・技術職員の給与水準は、減額となっているが、一方で研究職員の給与増額となっている。

研究職員の増額理由は、特に示されていないが、年功序列で給与水準が伸びたものと推測できる。

Tokusyuhojinkyuyo07

◆国家公務員等と給与比較

国家公務員および独立行政法人の給与と比較しても、高い水準にあることがわかる。

行政改革推進本部の資料によると、給与の水準が高い理由としては、

①人材確保のため、同業種の民間金融機関と同等の水準にしている
②事務所が大都市に集中している
③職務の特性から、高度な専門知識を有し、国家公務員より学歴が高い

となっている。

確かに、14法人のうち、9法人が金融機関であり、対象人員のうち91.5%であるから、理由としては、わからないでもない。

しかしながら、財政状況や原資が税であることを鑑みれば、この水準が妥当であるとは、断じていえない。

Tokusyuhojinkyuyohikaku07

◆役員報酬の状況


役員報酬も、減額にはなっているが、財政状況、原資が税であることを鑑みれば、まだまだ高い水準であると、言わざるをえない。

Tokusyuhojinyakuinhousyu07

◆人件費の状況

退職金支給額以外は、総じて減額となっており、トータルで44億円削減となっている。

「簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律」において、各法
人は、2006年度以降5年間で5%以上の人員の純減又は人件費の削減を基本として取り
組むこととされてる効果が、一応でてはいるということか。

Tokusyuhojinjinkenhi07

結論として、特殊法人の行革は、人件費削減の効果は、一応はでているが、十分な成果であるかどうかは、下記を精査しなくては、判断できない。

①各々の法人自体に存続意義は、あるのか

②特殊法人という形態で、事業を行なう必要があるのか

③給与や人件費の水準が適正であるのか

業務内容、考えれば、ある程度高い給与水準を保つ必要があるのは、理解できるが、財政状況および、原資が税であることを鑑みれば、単純に同様規模・同様職種の民間企業の比較のみで、適正であると判断するのは、いかがなものかと、疑問を呈さずにはいられない。

このあたりは、元金融マンである加とう正法チーム『民』代表と、精査する。

また、公表の対象となっていない16法人(高速道路株式会社、NTT、JRなど)に、ついては、補助金や財政支出が、適切な額なのか、精査する必要がある。

いずれにしても、特殊法人の行政改革は道半ば、チェックし続け、報告する。

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